平成22年度JAAGA総会が5月20日(木)、グランドヒル市ヶ谷において、講演会、懇親会とともに開催された。

【総会】
 総会は15:00から16:15の間、正会員64名が参加(委任状150名)して実施された。冒頭、故平野晃氏、伊藤修氏のご冥福を祈り、黙祷が行われた。
 最初に遠竹会長からは、総会参加者への謝辞と「会長に選任されてからほぼ2年が過ぎました。これまで、理事長及び会長として計4年間JAAGA活動に参加して参りましたが、改めてJAAGAを創設され育んでこられた諸先輩を始めご支援頂いた皆様に深く感謝申し上げます。
 JAAGAの活動は、航空自衛隊と米空軍の相互理解と友好親善に寄与することをその趣旨としているところですが、それには当然のことながら、航空自衛隊と米空軍のJAAGA活動に対するご理解とご支援がなければ成り立ちません。これまで、外薗航空幕僚長をはじめ航空自衛隊の皆様には、解決すべきことの多い隊務運営のなか、JAAGA活動に大変なご理解を頂きました。改めて感謝する次第です。そして、第5空軍の皆様には積極的な関与を戴いております。むしろ後押しされている感も致します。また、2008年2月に着任されたライス司令官は、日本勤務はもとより外国勤務を経験されておりませんが、着任以来、日本の心を理解しようと努力され、日本人の感覚に限りなく近い配慮をされていると思っております。」との挨拶があった。トピックとして、「ワシントンにおいても、新たな動きがあります。JAAGA名誉会員のマイヤーズ大将やエバハート大将が核となって在日米軍OBの組織化、つまり日米友好関係のネットワークを構築中であり、5月末には『在日米軍OB同窓会(仮称)』の立ち上げが発表される方向で話が進んでいる。このネットワーク造りには在米日本大使館の関わりも大きい」ことも紹介された。
 その後、第1号から第4号までの議案が審議された。平成21年度事業報告、同決算報告及び監査報告並びに平成22年度事業計画及び同予算に関する各々の議案について担当理事から説明があり、いずれも提案通り承認された。米軍行事への関わり方、大学生の米軍研修、会勢の拡張等に関しての質疑応答があり、所要の検討を継続していくこととされた。
 第5号議案として、役員の選任が行われ、津曲義光氏が第7代会長として選出されたほか、副会長、監事、顧問、新任理事等の新年度の役員が選出された。
 遠竹会長からは、「この4年間に皆様から頂いたご厚誼とご支援に心から感謝申し上げます。来年15周年を迎えますが、JAAGAの益々のご発展をお祈り申し上げます」との退任の挨拶があり、津曲新会長からは、「新たな体制で、空自と米空軍との相互理解及び友好親善の増進に寄与するJAAGAの更なる発展のために、一丸となって努力する所存であります。宜しくお願い致します」との就任の挨拶があった。
 最後に、新旧役員の紹介があり、新役員には健闘を期待し、退任の役員には功績を讃え、それぞれ拍手が送られた。

【講演会】
 講演会は16:30から、約1時間半、正会員、賛助会員(個人、法人)及び第5空軍司令官ライス中将などの招待者約160名が参加して行われた。講師は、第5空軍副司令官アンジェレラ少将であり、「50 Years of SECURITY and COOPERATION ? Focus on evolution of the two countries relationship (from a military perspective) past to present ?(50年に亘る安全保障と協力態勢―軍事からみた2国間関係の進展:過去から現在―)」と題し、熱意溢れる講演をされた。
 講師の経歴が司会から紹介された後、講師は、講演の機会を得たことへの謝辞を述べられ、日米の安全保障及び協力に関して、過去から現在に至るまでの進展の過程、最近の協力態勢、あるいは、日本及び米国での勤務経験から感じたこと等について、話を展開された。そして、「二つの国が強い絆を維持してきたこの50年というのはとても長い年月であり、頭に浮かんだいくつかの出来事を紹介させていただきました。私のずっと後の後任がJAAGA 50周年記念行事で私の様に皆様にお話をする幸運に恵まれれば良いなという風に思います」と話をまとめられた。その後の質疑応答では、会員から多くの質問が出されたが、アンジェレラ少将は、ユーモアを織り交ぜながら真摯に答えられていた。
(講演内容 和文 英文) 

【懇親会】 懇親会は18:00から約1時間半、約160名が参加して行われた。中谷衆議院議員、高見澤防衛政策局長、岡崎装備施設本部長、長島航空幕僚副長(航空幕僚長代理)、岩ア航空総隊司令官、航空幕僚監部・航空自衛隊各部隊の代表等、また米国側からは、ライス第5空軍司令官ご夫妻、アンジェレラ第5空軍副司令官、そして、JANAFA(日米ネービー友好協会)岡副会長、村木つばさ会会長等、多数の招待者と来賓を仰ぎ、盛大な懇親会となった。
 最初に、JAAGA会長が交代したことが紹介された後、主催者である津曲新会長からは、ライス司令官が大将に昇任されることへの祝福とともに、「1996年創設以来、歴代会長を始め会員の皆様が育んでこられましたこのJAAGAの運営に精一杯務めさせて頂きますのでよろしくお願い致します。
 JAAGAは、航空自衛隊と米空軍の相互理解と友好親善の増進に寄与する事業を推進し、日米両国の信頼性の向上に貢献することを目的としております。来年JAAGAは、創設15周年という大きな節目の年を迎えることとなります。この間の航空自衛隊と米空軍からのJAAGAに対します深いご理解と積極的なご支援・ご協力の下、JAAGAは、会員の皆様方の献身的なご尽力によりまして着実にその実績を積み重ね今日の姿かたちに発展をしてまいりました。
 米国同時多発テロ発生以来、未だ世界的にテロの頻発は絶えず、核・ミサイルの開発・拡散など多様な脅威が存在し、我が国周辺におきましても中国の不透明な軍拡ともいえる空海戦力の増強、北朝鮮の核・ミサイルの問題等、領土・資源の問題と相俟って不確実・不透明・不安定な要因が継続をしております。 我が国の防衛及び東アジアの安定は、日米同盟が必要不可欠のものであることは論を俟たないところでありますが、その信頼性の向上は我が国の不断の防衛努力の継続によって成り立つものであります。横田、三沢、沖縄地域での現場における密着したJAAGAの活動が、航空自衛隊と米空軍の信頼性の向上のための具体的な行動として大いに意義のあることだと思います。
  JAAGAは航空自衛隊OBからなる正会員と個人および法人の賛助会員の皆様のご理解、ご協力により運営されております。新しく選任されました役員を含めJAAGAの更なる発展のため一丸となって努力を傾注する所存でありますので、今後とも会員皆様の絶大なるお力添えを頂きますようよろしくお願い致します」との挨拶があった。
 来賓を代表して、中谷衆議院議員、長島航空幕僚副長(航空幕僚長代理)及びライス第5空軍司令官から、それぞれ、JAAGAの活躍に期待する旨の真心を込めたご祝辞を戴いた。
 村木つばさ会会長の力強い音頭で乾杯が行われ、宴が始まった。多数の招待者、賛助会員を含め、華やかで和気あいあいの懇親会となり、米軍関係者との歓談の輪が随所にでき、また、先輩と後輩や旧知の間柄の会員たちが旧交を温めるなど、時間の経つのも忘れてしまうほどの盛り上がりをみせた。最後に、ライス司令官昇任の祝福、アンジェレラ副司令官講演の御礼とともにJAAGA創立15周年記念での再会を期して、榎副会長の音頭での乾杯が行われ、懇親会は締めくくられた。(広報理事記) 

 


第15回総会・講演会及び懇親会