平成19年度JAAGA年次総会が5月9日(水)、グランド・ヒル市ヶ谷において、講演会、懇親会とともに開催された。
【総会】 総会は15:00から16:20の間、正会員60名が参加して行われた。冒頭、故岩崎克彦会員の冥福を祈って、黙祷から厳かに始まった。
竹河内会長が総会参加への謝辞を述べた後、「 JAAGAは昨年10周年を迎え、一つの大きな節目を終えた。この10年間、会の目的のとおり、航空自衛隊と米空軍との相互理解・友好を深めるための活動を行ってきた。このことが次第に皆さんに承知、理解され、特に、米空軍サイドではJAAGAに対する理解は大変深まってきていると思っている。在日米軍司令官等をやられた方が各所に行ってJAAGAの活動について話されていたり、訪米団が米国に行ったときにはJAAGAの名誉会員が大歓迎してくれたり、また、在日米軍研修のときに司令官自らが出てきて色んなことをやってくれたりということで、JAAGAの活動が充実したものになってきた。米空軍は日本との接点が多くあるわけでもなく、気心の知れたJAAGAが仲立ちとなって接点を作ることを彼らが安心して受け入れてくれているということがJAAGAに対する評価につながっている。本日は、そういったJAAGAの活動についてよくご審議いただくよう宜しくお願いしたい。」と挨拶を行った。
「本総会は出席者・委任状提出者の合計が222名で正会員の3分の1以上であり、総会成立に必要な条件を満たしています。」と司会から報告があり、第1号から第4号までの議案審議が開始された。平成18年度事業報告、同決算報告及び監査報告並びに平成19年度事業計画及び同予算に関する各々の議案について担当理事から説明があり、いずれも提案通り承認された。
途中、会員から「会員が参画意識をもっと持てる活動を計画・検討すべきである。」、「ホストネーションとしてのサポートをJAAGAの活動として更に充実させるべきである。」旨の発言があり、会長からは、「現状としても努力しているが、JAAGAの更なる発展に向け努力していきたい。」旨の回答があった。
第5号議案として、会則の一部改正が審議された。JAAGA発足10年を経過し、この間における種々の状況の変化や事業実施の教訓から、会則の一部に活動の実態にそぐわない面が出てきたため、改正するものであり、審議の結果、提案どおり承認された。
第6号議案として、役員の選任が行われ、会長に竹河内捷次、副会長に山口利勝、大串康夫、中司崇、監事に平田伸成、川田哲雄、そして理事に清水正睦、越智通隆、尾崎利夫の各氏が選任された。また、理事長、副理事長及び常務理事並びに三沢・沖縄の各支部長が会長から委嘱された。新顧問の委嘱も同時に行われた。
最後に、新役員の紹介があり、今後の健闘を期待する拍手があった。また、退任役員の紹介があり、拍手をもってその功績が讃えられた。
スムーズな司会進行もあり、予定より早く総会は滞りなく終了した。
【講演会】 講演会は16:30過ぎから、約1時間、正会員、賛助会員(個人、法人)及び招待者約190名が参加して行われた。講師は 第5空軍司令官ブルース A. ライト中将であり、『空自と米空軍の相互運用性の強化』と題し、熱意溢れる講演が行われた。
講師の経歴が日本の勤務を主体に遠竹理事長から紹介された後、講師は、「本日こうしてJAAGAの皆さんと時間を過ごすことができとても光栄に思い、また、日米関係を強化するというテーマで話させて頂くことをとてもうれしく思っている。そして、
JAAGAの様々な取り組み、支援が日米同盟強化の手伝いをしてもらっていることに感謝している。」旨を述べ本題に入った。まず、「世界情勢の変化により日米ともに岐路に立たされていること、双方の能力と相互運用性に焦点を当てなければならなくなっていること、安全保障のパートナーシップが効果的であり続けなければならないことなどから、米空軍と航空自衛隊との相互運用性の強化への取り組みが重要である。」旨が強調され、「装備の相互運用性の強化はもちろんのことであるが、エアマンのフェース・トゥー・フェースの相互運用など、根本的に重要なのは人であり、日米のソフト・コンバット・パワーである。」ということに言及し、そして、「戦闘即応体制を維持しながら、米空軍が運用上のプレゼンスを向上させていること、司令部移転などによる相互運用性の強化を図ろうとしていること、ミサイル防衛に関する能力を向上させようとしていることなど、相対的に強化された防衛運用能力と相互運用能力は最終的な成果として抑止力となっている。」旨が述べられた。まとめとして、「装備の相互運用性、互換性が重要であるが、日米間の信頼と理解と友情が時によって最も重要であることをこれまでの部隊の経験から学んだ。人間関係、日米間の友情の強化がとても重要であり、根本をなしていると強く思っている。」旨が述べられ、「日米間のエアマンの人間関係を育んできたJAAGAに感謝し、皆様方と色んな関わりを持つことが出来たことを大変光栄に思っている。」と括られた。途中、最近の共同訓練・演習の状況、各米軍基地の装備面の能力向上等の具体的な事例が取り入れられ、説得力のある講演であった。
講演後の質疑応答では、秘密保全、インターオペラビリティ等に関する質問に対し、ユーモアを交えながら丁寧な回答が講師から行われた。終わりに竹河内会長から講師に対して謝辞を述べられ、記念品が贈呈された。
【懇親会】 懇親会は18:00から約2時間、約220名が参加して行われた。中谷元 国会議員、守屋武昌 防衛省事務次官、田母神敏雄 航空幕僚長、防衛省付属各機関、航空幕僚監部、航空自衛隊各部隊の代表等、また米国側からは、ライト
在日米軍司令官ご夫妻等米空軍関係者、古澤忠彦 JANAFA(日米ネービ友好協会)副会長ならびに杉山蕃 新生つばさ会会長等、約90名の招待者と米軍関係者の来賓を仰ぎ、更に今回は、へスター
太平洋軍司令官、そして、在日米空軍及び航空自衛隊の先任下士官を迎えたこともあって盛大な懇親会となった。
主催者である竹河内会長の挨拶から始まり、会長は、「JAAGAは昨年創立10周年を迎え、10年間にわたって友好親善を深めるために数々の活動を行ってきた。JAAGAの活動は手作りであり、現場に根ざした活動をしてきて、広く理解され支援されるようになってきた。AFAが「Forces Behind Forces(軍を支える別の軍)」であるとの精神を持っているが、JAAGAも同様の精神で航空自衛隊と米空軍との友好親善が図れるように力強く活動してまいりたい。今後ともご支援・ご協力を宜しくお願いしたい。」旨の挨拶を行った。
続いて、来賓を代表して守屋武昌防衛省事務次官、田母神敏雄航空幕僚長、ライト第5空軍司令官から、ユーモアに溢れ総会を祝うに相応しい祝辞をそれぞれ戴いた。杉山蕃
新生つばさ会会長の力強い音頭で乾杯が行われ、懇親の会が始まった。
多数の招待者、賛助会員を含め、華やかで和気藹々の雰囲気の懇親会となり、米軍関係者を中心とした歓談の輪が随所にでき、また、先輩と後輩との旧交を温めるなど、時間の流れを忘れてしまうほどの盛り上がりをみせた。途中、中谷元 国会議員とへスター
太平洋軍司令官からも祝辞もあり、盛りだくさんの内容となったが、大串 副会長の万歳三唱で締め括りがされ、蛍の光の曲が流れる中、余韻を残しながら懇親会は終了となった。
こうして平成19年度年次総会・講演会・懇親会は、成功裏にその幕を閉じた。
(源理事記)