JAAGAは、1997年創設以来、初代大村会長、二代鈴木会長、三代石塚会長のもと、先輩の皆様方のご努力により、困難な創成期を乗り越え、立派に成長し、いまや円熟期を迎えつつあります。私は今回図らずも石塚前会長の後を引き継ぎ、会長に就任することになりました。個人的にもJAAGAは私が空幕長の時代に誕生し、かつ航空自衛隊退役後には常務理事そして理事長を務めるなど、深い縁と愛情を感じております。微力ではありますが、新しく役員に選任された諸君と共に、先輩諸氏が築かれた精神を引き継ぎ、更なるJAAGAの発展のため、努力していきたいと思います。会員の皆様におかれましても、今までと変わらぬご支援ご協力をお願い申し上げます。 わが国の平和と安全更に東アジアの安定のために「日米同盟」が必要不可欠であり、それを有効に機能させるため航空自衛隊と米空軍との信頼関係が極めて重要であることは言うまでもありません。JAAGAは、航空自衛隊と米空軍との相互理解と友好親善の増進に資することを目的とし、現役の皆さんが仕事をしやすい環境作りに寄与しようという航空自衛隊OB主体の組織であります。活動に際しては、われわれが先輩であるがゆえ、現役の皆さんにとって負担にならないよう着意し、ボランティアに徹したいと思います。役員の皆さんには、ボランティアとしての負担を強いることになりますが、現役時代に培った米空軍との友情や経験を生かし、役員相互に助け合って楽しく明るく活動することを要望します。
 一昨年起きた9・11米中枢同時多発テロは、21世紀の新たな脅威として世界を驚愕させましたが、その後の米国を中心とする国際社会の対応は、我が国にも国際社会の団結と更に「日米同盟」の重要性を再認識させ、具体的な施策が次々と実行されることになりました。まず、「テロ特措法」が成立し、PKO活動等以外では初の海外への自衛隊派遣によって米軍等を支援することが可能となりました。また、大量破壊兵器保有の疑惑のあるイラクに対する米英軍の武力攻撃が始まるのを契機に、有事法制の検討に拍車がかかり、関連法案が成立することとなり、独立国としての長年の懸案であった有事法制がスタートしました。現在はイラク戦争において米英群勝利の後を受け、戦後のイラク復興支援に関する法案が国会で審議されています。北朝鮮の核やミサイルの脅威を身近に感じ、同盟国としてのより明確な姿勢が求められている我が国としては、ぜひとも成立させねばならない法案であると思います。最良の結論が出ることを期待しています。
 このように、「日米同盟」の絆が地道ながら前進しつつあることは、大変嬉しいことであります。このような状況下において、というよりこのような状況下であるからこそ、今まで以上に米軍の活動に対する我が国民の強力な支持並びに在日米軍人やその家族との友好や信頼関係の発展は極めて大切であると考えます。当協会はその中核としての役割を果たしていく必要があります。まさに、その存在意義を問われる時ではないでしょうか。皆様の心からの支援と協力が望まれるところであります。皆様、それぞれご多忙中のことと存じますが、引き続き当協会の活動へのご理解並びに積極的なご参加を賜り、「日米同盟」の信頼性確保に力をお貸しくださるよう心からお願い申し上げまして就任の挨拶といたします。
  (平成15年4月25日 村木鴻二会長、元航空幕僚長)

会長書簡 ('04/4/1)
村木鴻二 会長挨拶