今晩は、航空幕僚長の吉田でございます。 本日はJAAGAの10周年記念、誠におめでとうございます。現役多数をこの祝賀会にお呼び頂きまして誠に有難うございます。心より御礼申し上げます。 また、JAAGAにおかれましては日頃から航空自衛隊、私共と在日米空軍との所謂掛け橋として、日米の相互理解・友好に普段からご尽力を頂きまして、その活動に対しまして私共は心より感謝をしております。この場をお借りしまして御礼を申し上げます。また、本席にご出席されております賛助会員の企業の皆様におかれましては、平素から航空自衛隊の諸活動につきまして、深いご理解とご支援を頂いておりまして誠に有難うございます。本席をお借りしまして御礼申し上げます。

 さて、航空自衛隊と在日米空軍の関係を顧みますと、航空自衛隊が創設されまして半世紀が過ぎました。この間、航空自衛隊は米空軍を模範として、その立ち上がりの時期には所謂、戦力の創設と整備ということに重点を置いてまいりましたが、その後対領空侵犯措置任務をはじめ、 PKO、あるいは国際緊急援助任務、或いはテロ等に対する新しい任務ということで、その活動が実効性を求められ、そういうことを私共としては最大限の努力をしてきたわけでございます。 そして今日、更に活動し大きな結果を求められるという時代になってきております。この時代にありまして、私共は更に米空軍を手本として頑張っていきたいな、というふうに考えておる次第であります。この時代に於きまして如何に航空自衛隊を実効在らしめるかということで、この5月に日米の政府間で合意がなされました。米軍の再編、これに関するロードマップでございますけれども、所謂日米が日米同盟を実効在らしめるということで、航空自衛隊の日米協力に対する新しい方向性が示されたものというふうに考えております。 私共としましては、この方向性に向かって航空自衛隊と在日米空軍が手を取り合い、イコール・パートナーシップとして、この地域の安全をしっかり守るということにこれからも最大限の努力をしてまいりたい、というふうに考えておるところでございます。

 特にこの中にありまして、航空自衛隊の長年の懸案でありました航空総隊司令部の横田への移転と、そして横田におきます共同運用調整所、これをいかにしっかり作るかということが今後の私共に与えられた非常に大きな課題でありまして、日米のあらゆるレベルに於いてこの実効性をしっかり確認するということで現在最大限の努力をしているところでございます。 ミリタリーとミリタリーの関係は非常に良うございます。しかしながら、よく考えてみますと、先程、マイヤーズ大将のお話を伺っておりまして、世界の安全保障を担われたその重責というものをひしひしと感じましたが、そのお話の端々の中に世界ということも勿論あるんですけれども、このわが国日本に対する思いというものを随分私は肌身で感じました。若い諸官も此処には大分居ますので、マイヤーズ大将のわが国に対するご理解を少しご紹介させて頂きますと、今週コープ・サンダー演習に航空自衛隊はアラスカに戦闘機部隊を派遣します。来週、 F15型機6機が米空軍の支援を得てアラスカまで自力で飛んで行きます。大体1時間半くらいですが。これもまさにマイヤーズ大将が在日米軍司令官の時に航空自衛隊に発案をされて、そして今年が4回目ということになったわけでございます。また、この春にコープノース・グアムということで、F4型機10機をグアムに派遣しまして、今年は2回目の500ポンドの実爆をやりました。これもちょうど私が空幕の防衛部長をさせて頂いております時に、ちょうどマイヤーズ大将がハワイの PACAFの司令官でございまして、伺った折、「吉田君、航空自衛隊が何とかグアムに行けないか」という話を伺いまして、これが実現したということでございまして、まさに今日の航空自衛隊と米空軍の共同の関係というものは、歴代の在日米軍司令官、5空軍司令官のご指導と、航空自衛隊に対する熱意といいますか、熱情といいますか、温かい心を持って育てて頂いたということでございまして、改めましてマイヤーズ大将に御礼を申し上げたいというふうに思っています。

 そういうことで、所謂日米の関係というものは、人と人との関係がその基礎になるのでございます。この JAAGAが日米の掛け橋として竹河内会長を頂点としまして、一人一人が日米の関係を良くしていくということが、ひいては航空自衛隊と在日米空軍、そして米空軍、そして更には日米の政府の関係に繋がっていくんであろうというふうに思っております。こういう観点で、最後になりますけれども、このJAAGA がこの10周年に一つの節目を迎えられたということでございますけれども、更に20周年、30周年に向けて益々ご発展されますことを祈念致しまして簡単ではございますがご挨拶に変えさせて頂きます。本日は誠におめでとうございました。


                        

祝賀会での吉田航空幕僚長の祝辞