石破防衛庁長官、国会議員の皆様、及び歴代防衛庁長官、津曲空将、歴代航空幕僚長並びに御来賓の皆様、本日はおめでとうございます。

 1954年に航空自衛隊が誕生して以来、航空自衛隊とアメリカ空軍の間の公私にわたる関係はアジア太平洋地域における平和と安全に貢献して参りました。

 私はこの50年の航空自衛隊の輝かしい功績に敬意を表するとともに、その支援という意味で、アメリカ空軍が航空自衛隊の発展の一翼を担ってきたことを誇りに思います。献身的な要員による小さな集団から世界クラスの航空自衛隊への変貌は素晴らしい限りです。

 佐藤元内閣総理大臣はかって、日米関係を「日本が盾でアメリカを槍」とする「盾と槍」の関係と評したことがあります。この関係は今日もなお発展を続けております。航空自衛隊は我々の諸先輩達が思ってもみなかったことを、この数年で実行に移してきました。世界が変化する中、航空自衛隊は先頭にたってその変化に対処するとともに、驚異的なプロフェショナリズムを示してきました。充実した近代的装備に唯一勝るものは今日の航空自衛隊の優れた資質の隊員達です。50年前には予想もしなかった新しい共通の敵である国際テロリズムの挑戦に対しては、日本とアメリカの同盟関係が大きく貢献しています。航空自衛隊は「不朽の自由作戦」と「自由のイラク作戦」に対して多大な支援を下さっています。アフガン難民のための救援物資に加え、アメリカ軍の輸送機がテロとの戦いに使用できるよう、日本政府はC−130、C-1及びU-4の航空機を太平洋地域の輸送任務に提供しました。また、イラクへのC-130と支援要員の展開は、日本の国際的影響力の行使と世界平和と安定への積極的貢献の意思の証であります。

 共通の利益と価値観を共有するからこそ、日本とアメリカは自然な形での同盟国であり、友好国なのであります。日米関係はさらなる発展を遂げるものと予見することが出来ます。両国の協力関係は今後も我々の子供や孫の時代における平和の礎となるでしょう。本日ご参集の皆様、特に航空自衛隊の友人達に対し50周年のお祝いを申し上げますとともに、日米両国の同盟に対する皆様の支援と献身に感謝を申し上げます。過去50年の日米関係が立派な実績を上げたことを誇りに思うと同時に、我々の友情が末永く続き、将来もまた多くの成果を達成することを祈念致します。
「オメデトゴザイマス」  (平成16年6月27日、航空自衛隊入間基地)



航空自衛隊50周年記念行事での
第5空軍司令官ワスコー中将の祝辞