平成24年度JAAGA総会が5月18日(金)、グランドヒル市ヶ谷において、講演会、感謝状贈呈式、懇親会とともに開催された。

【総会】
 総会は15:00から16:15の間、正会員56名(委任状134名)が参加し実施された。冒頭、昨年度ご逝去された元航空幕僚長米川忠吉氏、津曲義光氏のご冥福を祈り、黙祷が行われた。
 最初に吉田会長は挨拶の中で、故津曲前会長の後を受けて1月16日から会長を務めていることを話した後、@三沢、入間、那覇基地で実施した感謝状贈呈式の様子、特に三沢基地での贈呈式に第5空軍司令官兼在日米軍司令官フィールド中将と第5空軍副司令官レイモンド少将がご夫妻で駆けつけてくれたこと、A米空軍協会(AFA)年次総会に参加した際、ハワイでは太平洋空軍司令官ノース大将がわざわざ制服で出迎えてくれたこと、またその後のネリス基地等の研修においても行き届いた歓待を受けたこと、B嘉手納研修では、第18航空団司令モロイ准将自ら案内、説明をしてくれたことの3つの事例を挙げ、JAAGAのこれまで16年間の活動実績の積み重ねが、米軍側に着実に伝わっているとの認識を深めたとの考えを述べ、これから1年間、さらに努力していきたいとの決意を表明した。
 続いて、第1号から第6号議案までの審議に移った。平成23年度事業報告、同決算報告及び監査報告、並びに平成24年度事業計画及び同予算に関する各々の議案について担当理事から説明があり、いずれも提案通り承認された。会勢の拡大施策として現役自衛官の入会検討について提案があり、検討して行くこととなった。 第5号議案として、役員の選任が行われ、副会長、監事、顧問、新任理事等の新年度の役員が選出された。第6号議案として、理事、支部役員の選任を年一度の総会承認事項から四半期に一度実施する役員会で選任する事項に変更するための会則の一部改正が承認された。 最後に、新旧役員の紹介と顧問委嘱が行われ、各役員には暖かい拍手が送られた。(第1号議案から第6号議案の詳細は16ページから22ページのとおり。)

【講演会】
 総会に続き、16:20から約1時間半にわたりJAAGA会員や米軍人等130名余りの聴衆が集まり講演会が実施された。講師は第5空軍司令官兼在日米軍司令官フィールド中将である。演題は昨今最もホットな話題である「第5世代戦闘機」、出席者の関心も極めて高かったと思われる。
 初めに吉田会長による講師の経歴紹介があり、その中で会長は司令官が来月には異動の予定であり、多忙にもかかわらず講演を引き受けてくれたことに対し感謝の言葉を述べた。
 冒頭、司令官は本演題を選んだ理由を明らかにし、自分のF-16、F-22のパイロットとしての経歴や、空自OBを中心とするJAAGA会員の関心等を考慮したと述べた。本論では第5世代といわれる戦闘機について、その特質をステルス性、センサー及び統合アビオシステム、整備性、スーパークルーズ性能等の観点から多岐にわたり論ずるとともに、F-22パイロットとしての貴重な体験談も披露した。中でも印象的だったのは、司令官が米国ラングレー基地で航空団司令の時、F-22×2機(内1機を司令官が操縦)対F-15×6機による戦闘訓練を実施した際、極めて厳しい想定下での訓練であったにもかかわらず、F-22×2機でF-15を数度にわたり全機撃墜したという話であった。講演の最後に司令官が「F-22という第5世代戦闘機の並外れた性能を考えるとき、単にFighterを意味する“F”をつけるだけでは呼び方として適切ではないのではないか。そして航空自衛隊が導入するF-35についても、いずれ皆さんは同じ思いを抱くかもしれない」と締めくくったことが深く記憶に刻まれた。
 その後の質疑応答では、F-22に関するかなり専門的な質問が続き、聴衆の第5世代機に対する関心の高さが伺えた。最後に会長から司令官に対し謝辞とともに記念品が手渡された際には、聴衆からは惜しみない拍手が贈られた。

【感謝状贈呈式】
 講演会に続き、18:00からJAAGAの各種活動とその発展に貢献された日米の個人3名(阿部政男氏、ジャネット・コールマン氏、高柳實氏)と2団体(多摩ヒルズ・ゴルフ場、防衛弘済会)、及び賛助会員である7法人(株式会社IHI、伊藤忠商事株式会社、全日本空輸株式会社、双日株式会社、日本電気株式会社、富士通株式会社、三菱商事株式会社)に対して、会長から感謝状と記念品が贈呈された。
 吉田会長からは、「平成8年のJAAGA設立から10年目の第1回感謝状贈呈に引き続き、昨年できなかった15年目の節目としての感謝状を贈呈させていただきます。JAAGAの設立目的である航空自衛隊と米空軍との相互理解及び友好親善の増進に寄与する事業を推進し、日米両国の信頼関係の向上に貢献する活動に御支援をいただいた事に謝意を表します。北東アジアの情勢が不透明かつ不確実な中、日米両国の信頼関係を深める事が増々必要であり、航空自衛隊と米空軍の信頼醸成は極めて重要です。今後ともJAAGAの組織目的を御理解いただき、引き続き御協力をお願い致します」との挨拶があった。

【懇親会】
 懇親会は18:30から約2時間にわたり、200名近い関係者が集まり開催された。中谷元衆議院議員、宇都隆史参議院議員、岩ア統合幕僚長御夫妻、片岡航空幕僚長御夫妻、斎藤航空総隊司令官、平田幹部学校長、秦航空総隊副司令官、中島航空幕僚副長御夫妻、杉山航空開発実験集団司令官、航空幕僚監部、航空自衛隊各部隊の関係者、米空軍からはフィールド中将御夫妻、第5空軍副司令官レーモンド少将御夫妻、横田基地関係者、そして関係団体等からは道家日米ネービィ友好協会(JANAFA)副会長、竹河内つばさ会会長等、多くの来賓の出席をいただき、盛大な懇親会となった。
 冒頭、日米両国の国歌の演奏があり、吉田会長からは「昨年1年間を振り返ると2つの大きな出来事がありました。3.11の大震災におけるトモダチ作戦等の米軍支援、及び航空総隊司令部の横田移転とその直後の北朝鮮ミサイル発射事案における日米共同対処です。トモダチ作戦では米軍挙げての支援をいただき、汗と泥にまみれたその支援に日米友好の姿を見た思いが致しました。また、総隊司令部の移転につきまして、ミサイル発射事案の際に行われた日米の司令官から幕僚に至るまで相互の極めて緊密な連携については、先ほどの講演会においてフィールド中将からも御紹介がありましたが、本当に総隊司令部を横田に移転させて良かったと思います。ハワイの第13空軍司令官と横田の航空総隊司令官の間における親近感溢れる連携についても、その緊密度の強さに感じ入りました。今後は横田における日米の綿密なFACE TO FACEの活動に、JAAGAとして側面から協力させていただこうと思います」との挨拶があった。 その後、片岡航空幕僚長に続きフィールド中将が来賓挨拶に立ち、「大震災に対する支援や、ミサイル発射事案への対処は日米両国の国と国との関係に基づく任務であると同時に、人と人の繋がりでその円滑な任務遂行の度合いが決まると思います。両手を広げて我々を迎え入れていただいたからこそ、任務を達成出来たのです。JAAGAの存在の重要性は、この人と人の繋がりを更に広げ深めるところにあります。日頃からのJAAGAの活動に感謝いたします」と述べた。この他、中谷衆議院議員、宇都参議院議員からも祝辞をいただいた。所用でやや遅れた岩ア統合幕僚長のウィットに富む挨拶に会場全体の空気が和む中、竹河内つばさ会会長の音頭による乾杯で懇親の宴となった。
 今回は東日本大震災におけるトモダチ作戦、及び航空総隊司令部の横田移転とその直後の北朝鮮ミサイル発射事案対処における活動等、相互に関心の深い話題で出席者の話題は尽きないようであった。来賓の方々も日米の関係者と親しく懇談し、また旧知の日米関係者の間では思い出話に花が咲くなど、終始和やかな雰囲気と活気に満ちた会話が会場を包んでいた。20:30、香川副会長の乾杯で懇親会は締めくくられ、24年度の総会行事は幕を閉じた。(広報担当理事記)

 

第16回総会