平成23年度JAAGA総会が、4月20日(水)、グランドヒル市ヶ谷において14:00から約1時間半開催された。正会員総数239名の内、出席者56名、委任状提出者154名であり、会則の規定により総会は成立し、審議等が進められた。
 今年度の総会は、冒頭、この度の東日本大震災で亡くなられた方々と故谷之夫氏のご冥福を祈り黙祷を捧げた後、会長挨拶、議案審議(平成22年度事業報告及び同収支決算報告、平成23年度事業計画(案)及び同予算(案)、役員の選任(副会長、理事、監事、支部役員))、新役員の紹介、新顧問、支部長、支部事務局長の委嘱、退任者の紹介及びそのご貢献に感謝の順で実施された。
 津曲会長からは、「会長を拝命し1年を経過し2年目に入ろうとしております。引き続き宜しくお願い申し上げます。本日は、22年度のJAAGAの主要な活動のうち、二つを皆様にご紹介して挨拶に替えたいと思います。
 一つ目は、日米隊員の表彰です。沖縄地区は那覇基地、関東地区は入間基地、三沢地区は三沢基地において、基地周辺の自衛隊協力団体の方々、米空軍関係上司等そして基地の主要な幹部を交えて、日米隊員の表彰行事を行いました。 本表彰は、JAAGAの設立目的である「航空自衛隊と米空軍の相互理解及び友好親善の増進に寄与」すると言うことに尽力し功績があった日米の隊員を表彰いたしました。那覇基地と入間基地は私が、三沢基地は榎副会長が出向きました。行事は、音楽隊による日米両国歌の演奏に始まり、表彰式、懇親会を実施しましたが、部隊側の支援は完璧であり極めてスムーズに進行し、JAAGA15周年の歳月の重さを感じた次第です。表彰される隊員そして同伴された奥様ともども大いに喜ばれており、また、日米の友好親善に貢献したという自信に満ち溢れた姿を見て、非常に意義のある表彰式であると思いました。
 二つ目ですが、昨年の9月に米空軍協会(AFA)年次総会に参加しました。その際、ハワイでは、太平洋空軍司令部、13空軍司令部を、コロラドスプリングスでは、宇宙空軍司令部、空軍士官学校を訪問し、ワシントンでは、AFA総会に参加し、ペンタゴンを訪問しました。行く先々で丁寧な歓待、懇切な説明を受け、極めて有意義な交流・研修でありました。特にワシントン訪問は、エバハート大将ご夫妻による自宅におけるホームパーティに始まり、JAAGA主催の夕食会はエバハート大将の行きつけの素晴らしいレストランで実施し、マイヤーズ元統参本部議長夫妻を始め、ホール中将、ヘスター大将夫妻、ワスコー中将夫妻、そしてワシントン在住のエバハート大将夫妻、ライト中将夫妻が駆けつけてくれ、和気藹々のうちに時間が経つのを忘れるほど、食事と会話を大いに愉しみ懇親を深めることが出来ました。同行した永岩副理事長によると、一般的に米国人は宴会においては酔っ払わないのが常識だそうですが、今回は、ワインを20数本も空にするほどに皆さん大いに楽しいひと時を過ごされました。これは、参加された方々が、在日米軍司令官・第5空軍司令官としての在職時における仕事の充実ぶりに対して、自信を持っておられる証左であり、奥様も含め日本滞在時の楽しい思い出が沢山あったからこそ、大いに喜んでいただけたものと推察いたします。これもひとえに、それぞれの司令官が日本における勤務時にカウンターパートであられた空自の緒先輩の皆様が奥様も含め、一生懸命に米軍とお付き合いしていただいた結果、日米親善・友好の輪が拡がった証であると思います。このことに対して改めて深甚なる敬意と謝意を表したいと思います。夕食会に参加するに当たり、ホール中将はフロリダから飛行機で、ヘスター大将夫妻は、テキサスのサンアントニオから、ワスコー中将夫妻は、ノースキャロライナから車を6時間も運転するなどして遠方から駆けつけてくれた次第であり、本当に懐かしい友人と旧交を温めることが出来極めて印象的でありました。以上の二点を皆様にご紹介して私の挨拶といたします」と紹介を兼ねての挨拶があった。
 議案審議では、平成22年度業務は、東日本大震災の影響を受け、三沢研修及びSPRTEX’10-Bを中止した他、ほぼ計画通りの実施であったこと、平成23年度業務計画は、東日本大震災の状況に鑑み、JAAGA15周年記念行事を取り止める等の説明があった。
 質疑応答では、小田康夫会員から「@日光研修のような高官ばかりでなく、家族ともども子供も含めた文化交流的なものを実施できないか。たとえば、都内でお茶の会をやるとかである。過去に、米軍から和服を着て写真を撮りたいといった要望もあったと記憶している。A米軍基地の研修であるが、正会員の横田基地研修は19名と少ない状況である。三沢基地や嘉手納基地研修は、賛助会員を対象としてるが、正会員も対象にしたらどうかと思う。過去に私が役員の頃、この件に検討した際、正会員は米軍基地をよく知っているということで却下された経緯があるが、空自OBでも米軍のBOQに泊まったことのない者は多数いるはずである。正会員のJAAGA活動に対する参画意識を高揚させるための手立てがもっと必要と思う。多摩ヒルズでのゴルフだけでは寂しい気がする。B昨年の総会懇親会に外務省関係者は誰も来ていなかったようであったと記憶している。藤崎駐米大使やロスアンゼルス日本領事などは、自衛隊の活動に関し興味と理解があると聞いている。今後、JAAGAの活動範囲を広げ、また、PR効果を高めるためにも外務省(北米局長や安保課長など)との関係をうまく構築していく必要があると思う。C防大留学中の米空軍士官学校学生のホストファミリーについては、大いに賛同するものである。F−2開発時、技本にエクスチェンジ・オフィサーで来ていた若い空軍パイロットが、金銭的にかなり苦労していたことがある。(日本の宴会代が高い。翻訳ソフト代など)これをJAAGAが側面から支援したことがあり、今後も防大留学生だけでなく在日しているEXオフィサーなど若い将校を支援すれば今後の日米関係に大いに寄与できると思う」と貴重な意見提示があり、今後、活動の参考にしていくこととなった。
 役員の選任は、吉田正新副会長をはじめ新役員の選任がそれぞれ承認された。その後、各新役員の紹介、香川新理事長、永岩新副理事長への委嘱と各役員の所掌業務が紹介、今回で退任される小田邦博副会長、石黒正昭理事、井上勝理事の紹介及びそのご貢献への感謝、外薗健一朗新顧問への委嘱をもって閉会した。なお、JAAGA創設15周年行事が取り止めとなったことから、同行事の一環として実施することとしていた講演会は行わないこととなり、懇親会は、「意思の疎通を図る会」という主旨で開催した旨の動議があり、満場一致で了解され、別途計画することとなった。
 (山本康正理事記)

 


第16回総会