平成16年度(第9回)JAAGA年次総会が、4月27日グランドヒル市谷において講演会並びに懇親会と共に開催された。
総会は、出席者63名及び委任状提出者173名により成立、冒頭、村木会長が挨拶し「1997年創立された
JAAGAが、創成期の困難を乗り越え今や円熟期を迎えた諸活動を実施出来るのは、歴代の会長や役員をはじめ諸先輩そして会員諸氏のお陰であり、会長就任1年間を振り返りつつこれらの努力の積み重ねに先ず以て敬意と感謝の念を表すること。そして『9.11同時多発テロ』から『アフガン』『イラク』と激動する国際情勢の展開の中で、日米同盟の絆を背景に今や陸海空各自衛隊がイラク、クェート、インド洋等々でそれぞれ大きな活動を展開している状況は、かっての湾岸戦争で130億ドルもの経済援助をしていながら『
too little, too late!』との悪評を買ったことを想起すれば隔世の感があり、こうした中でJAAGAとしても会員のボランティア活動を資源として航空自衛隊と米空軍の橋渡し的役割を一層効果的に果たしていきたい。」等の所感を示し、終わりに会員による継続的な協力と支援を要請して挨拶を締めくくった。
引き続き第1号から第5号までの議案審議に進み、平成15年度事業報告、同決算報告及び同会計監査報告、並びに平成16年度事業計画案、同予算案及び役員の選任に関するそれぞれの議案について担当の常務理事から説明を行い、何れも提案どおり承認された。 役員の選任については、退任する高橋伸治副会長の後任に後藤龍一氏が、田中伸昌監事及び横山俊夫監事の後任に桑原武彦氏及び中司崇氏が、また後藤副理事長の異動に伴いその後任に山口利勝氏が就任した。その他、大串康夫氏及び木村忠信氏が理事に、榎利美氏以下5名の常務理事がそれぞれ就任し、退任役員に対する盛大な拍手を以って総会は滞りなく終了した。
総会に続いての講演会は、空幕防衛部長 織田邦男空将補が「日米共同の現状と課題」と題して、アフガン以降における自衛隊の海外派遣等に象徴される蜜月的な日米関係の経緯を掘り起こしつつ、自由と民主主義の価値観を共有出来ずジャパンナッシングとまで揶揄された問題点の本質を、スタンフォード大留学等の経験則からメスを入れた迫力充分の論述で明らかにすると共に、冷戦終結に伴う運命共同体から利益共同体への変貌説を背景に示唆に満ちた日米同盟再構築論を展開した。また9.11以降まさに激動の内外情勢の渦中にあって総隊防衛部長からそのまま引き続きの空幕防衛部長就任という要職歴ならではの視点から、防衛力整備や日米共同訓練の現状と問題点にも言及し、併せて米空軍高官等との人脈を継続する
JAAGAの活動に期待感の表明があった。こうした熱気溢れる「織田節」に会場満杯130名の聴衆から質問が相次ぎ、これを打ち切っての満座大拍手の中、村木会長より謝辞と記念品が贈呈された。
会場を移しての懇親会では、村木会長の主催者挨拶のほか山本安正JANAFA(日米ネービー友好協会)副会長や横澤つばさ会会長代理のスピーチがあり、米国企業関係者(元在日米海軍司令官を含む)の参加で若干の国際色も加わって、講演会講師の織田防衛部長等を中心に会場随所に歓談の輪が広がり、大盛会は時間を過ぎてようやく宴を閉じ、ここに第9回総会関連行事の全てが終了した。 (吉田理事記)