去る9月29日夕、 日米エア・フォース友好協会は在日米軍司令官(兼第5空軍司令官)ワスコー空軍中将の送別会を、理事等約40名が参加してグランドヒル
市ヶ谷で開催した。冒頭、村木鴻二会長から本協会名誉会員の指名を受諾された同中将に名誉会員証が手渡された。会長はワスコー中将の日本の安全保障への大きな貢献と当協会活動への深い理解・協力を称え、送別の宴が始まった。
・・「本日はワスコー中将の日本での3年間にわたる献身的な活躍に対し心からの感謝の意を表したいという有志の集いであります。周知のとおり、わが国は「9.11」以降国際的なテロ抑止活動に参画していくとの国家意志を明示し、航空自衛隊はイラク復興支援のためC−130機を派遣しました。こうした中、ワスコー中将がなされたわが国に対する協力と支援は計り知れないものであり、アラスカにおける日米共同訓練コープサンダー等も大きな成果を挙げましたが、こうした例は枚挙にいとまがないものであります。日米関係と航空自衛隊のために多大の尽力を戴いたワスコー中将が退官されることは寂しい限りでありますが、ご夫妻共々の益々の御健勝を祈念します。」・・
ワスコー中将からは名誉会員指名への謝辞に続き、日本での勤務を終るに当り、3年間の思い出と今後の航空自衛隊並びにJAAGA等の発展の祈念され離任の挨拶をされました。
・・「日本で過ごした3年の歳月を振り返りますと、この間世界情勢は従前とは全く異なった極めて興味深い動きを示してきましたが、こうした中で日本を離れる日を間近に控えて、多大な努力と犠牲の上に今日の航空自衛隊を築き上げてきた
会員の皆様と一緒のひとときを過ごせることを光栄に思います。イラク・中東地域への航空自衛隊空輸部隊の派遣やコープサンダー等の日米共同訓練に大きな成果が得られたことに敬意を表しますと共に、これは村木会長が言及されたような米空軍の支援というようなものではなく航空自衛隊の心意気と高いプライドによるものであるということを強調しておきたいと思います。こうした航空自衛隊の土台を築き上げてきたJAAGA会員その他多くの航空自衛隊OBの方々に改めて衷心から敬意を表する次第です。私は1970年に空軍に入隊し、その折り米軍は戦時にありましたが、今も米軍は戦っています。この34年間という長い空軍生活の最後の3年間を日本で勤務したということには感慨深いものを感じます。日本を離れるのは悲しいことですが、これも世代交代ということであります。今日、日米関係は良好な状態にあり航空自衛隊も益々の発展を遂げつつありますが、ここに参集戴いた皆様が航空自衛隊のために尽くされた業績に再度の敬意を表して、お別れの挨拶とします。有難うございました。」・・
続いて鈴木昭雄顧問が、充実感をもって職を去るということが最高に幸せなことであるとの東洋的思考を紹介して力強い乾杯の音頭を取られた。送別の宴は、ワスコー夫妻を中心とした歓談の輪が広がり、時間の過ぎるのを忘れるぐらいの盛会となった。途中、ワスコー中将と旧知の大橋元監事から思い出話の披露と個人的な記念品の贈呈があり、最後は後藤副会長のユーモア溢れる納杯により、名残を惜しみつつの送別宴は幕を閉じた。 (吉田理事)