今回の米軍基地視察で私が一番印象に残ったのは、ライト司令官の「米軍は日本国に招待されて仕事をしている」という発言である。
 日本では、基地の移動の問題や近隣住民のとのやり取りなどをメディアを通じてみていると、日本の土地に嫌々滞在させてあげてるかのようにも聞こえてくる。小さい頃から日本のメディアを通じて情報を得てきた私にとっては、ライト司令官の言葉には衝撃を受けた。しかし、冷静になって考えてみると、日本人は都合のいいことばかり言っているように感じてきた。日本は第二次大戦後、憲法のなかで戦争の放棄を謳ってきている。憲法9条の解釈はいろいろあるが、米軍に頼っているのは間違いない。また、集団的自衛権でも、日本は権利は持っているが行使はできない。これも解釈はさまざまなのかもしれないが、つまり日本は、戦争の悲劇を知り二度とそれを繰り返さないために戦いを放棄したわけだが、いざ有事になった場合は米軍に守ってもらい、自分は無傷で、傷を負ってしまう可能性のあるのは日本を守ろうとしてくれた米軍ということになる。
 日本国民はもう一度、日米同盟の大切さ、米軍基地の重要性を考えたほうがいいのかもしれない。日々の生活での騒音などの精神的なものや、基地周辺であるがゆえの危険性などもあるかもしれないが、我々日本国民は命を守ってもらっている。私は米軍基地の近隣住民ではないためこのような事が言えるのかもしれないが、いざという時に日本の自衛隊は機能するのか、今の日本はきっと憲法の解釈、自衛権の解釈をしているうちにやられてしまう気がする。このように考えると、やはり米軍に頼っているのが現状ではないだろうか。日本の現状では、ライト司令官の言ってた「米軍は日本国に招待されて仕事をしている」というのは、その通りだと思わざるを得なくなった。
 米軍としても近隣住民に迷惑をかけていることは承知のようたった。しかしその中で、近隣住民の人たちとうまくやっていこうと努力しているとも言っていた。私はその一環である、横田基地で行われるお祭りと、米軍基地内の小学生の野球チームと日本のリトルリグという野球チームの交流試合も経験したことがある。確かに日本国や日本国民にとって負担な部分もあるとは思うが、理解し共存していかなければ、北朝鮮の核やミサイルの問題や、中国の宇宙の問題などで、いざ日本だけでどうにもならなくなってからでは遅いという事を、今一度再確認しておいたほうが良いのではないだろうか。
 以上のような事を、ライト司令官から逆質問していただいたときに述べたかったのですが、頭がまわりませんでした。
 話は変わるのですが、時間上質問できずに疑問に思った事が、教育問題である。アメリカ本土にいる人と基地内にいる人とでは教育に差が出ないのか。やはり基地内にいる人はいろいろな制限や、本土ではできる事をできなかったり、逆に基地内でしか経験できない事もあるかもしれないが、いずれにせよ、もしまた機会があればぜひ聞いてみたい。
 最後になりましたが、このような素晴らしい企画を提供していただいた全ての方々に御礼申し上げたい。  (獨協大法学部・法律学科4年 田川敦士君)

獨協大生の横田基地研修所感(その2)