航空幕僚監部運用支援・情報部長下平幸二将補は、中国の航空戦力のうち我が国に直接的に対応する「海軍航空部隊」に焦点を絞って、

 1 海軍航空部隊の任務
 2 中国の海軍戦略の変遷
 3 海軍航空隊の航空機
 4 訓練・人事の特徴
 5 今後の注目点

という内容で説明を進め、その後質問に答えた。

 先ず、「海軍航空部隊の任務」に関し、中国の航空戦力を構成する空軍と海軍航空部隊の運用範囲、任務の特性等について述べ、その海軍航空部隊が現在の任務を有するに至った「中国の海軍戦略の変遷」について、毛沢東時代からケ小平時代を経て現在に至るまでの経緯について説明した。

 次に、「海軍航空部隊の航空機」に関しては、主要な航空機、装備品について、数及びそれぞれの性能に加え戦力組成について具体的に説明し、「訓練・人事の特徴」については、それらの装備品等を用いて近代的な航空戦力運用を目指す海軍航空部隊の訓練の要領及び航空部隊を重要視していると思われる最近の中国海軍の人事の一端を紹介した。

 最後に、この海軍航空部隊の「今後の注目点」について、装備面及び活動面から、近年の動向に基づく将来予測について興味深い分析結果を紹介した。

 その後、会員から、「空軍と海軍航空部隊の任務分担」、中国の軍事力の増強に係わる「我が国の防衛力整備の在り方」、「米国やEU諸国の関与の程度」等に関する質問があり、それらに対する回答をもって講演は締め括られた。

 

JAAGA講演会 (2006.4.27)

「中国海軍航空部隊の現状について」
空幕運情部長 下平空将補