第9回嘉手納スペシャル・オリンピックスは11月8日、米空軍嘉手納基地のマクドナルド・スタジアムで開催された。第18航空団司令ウィリアム准将は開会の辞で「例年は6月に開催してきたが、梅雨、台風、暑さを避けるために11月8日に変更した」と述べられた。しかし、この3日間、沖縄は真夏日が続いた。当日は観測史上初めて11月に30.8度を記録し、「暑さから逃げられなかった」と、ウイリアム准将がスピーチを続けると会場に笑いの渦が広がった。那覇基地司令代理の第83航空隊整補群司令川口 1佐と席を並べて開会式に参加した。 グランドは例年開催されていた第5ゲート近くのグランドから第1ゲートからのダグラス 通り近くのマクドナルド・スタジアムに変更された。この変更は参加選手、家族、ボランティア及び来賓には移動距離が少なく、更には選手待機場所も広くなったため好評であった。昨年まで選手がグランドを入場行進するために開会式が長時間かかり、開会式だけで選手が疲労困憊状態であった。今回のような入場要領が良いと思った。
 参加選手1200人、家族、施設職員及びスペシャル・オリンピックスのボランティア (在沖米国陸・海・空軍及び海兵隊と民間人)の2400人が参加した。選手は嘉手納スペシャル・オリ ンピックスの揃いのTシャツにゼッケンをつけていた。天気予報では午後からの降雨確率が50%とあったため天気が心配されたが、競技が終了するまで雨が降らず、イベントは大成功であった。 選手達が全力を傾注してゴールを目指す姿は、今年開催された北京オリンピックの選手達とは異なる感動を覚えたのは私だけではなかったと思う。余談だが私の施設からも7人の選手が参加し、全員が入賞し、メダルを獲得したのは大きな喜びである。 競技と並行してアルベルト・シロマのライブ公演があり、大勢の観客を集めていた。また、特別ゲストとしてアメリカから脚本家・プロデューサで俳優として活躍するトム・ アーノルド氏がユーモアを交えたコメントの後に選手宣誓し、拍手喝采を受けた。 年々参加選手が増加しており、来年はさらに数を増やし、このオリンピックスがより盛大になることを祈念して筆を擱く。
 (石津沖縄支部長)

第9回嘉手納スペシャル・オリンピックス