10月28日(土)から29日(日)にかけて、米空軍士官学校留学生のホストファミリーである吉田、木村、岩本の3理事が、留学生3名を引率しJAAGA主催の日光研修を実施した(吉田、木村両理事は、航空観閲式(注:台風の影響で当日中止)のため、1日目のみ参加)。
 28日(土)朝、JR東京駅に留学生とホストファミリーが集合し、東北新幹線で出発した。車内では、留学生の生い立ち、全員が戦闘機操縦者を希望していること、防大学生有志による靖国神社行軍に参加すること、日本の憲法等にまで話題がおよび、あっという間に時間が過ぎた。宇都宮駅では、堀川典子様(JAAGA個人賛助会員高柳實様のご息女)、佐藤真紀子様(宇都宮海星女子学院教諭で堀川様の従妹)及び宇都宮海星女子学院の生徒3名が星条旗を手にお出迎えして下さった。生徒達は全員が高校2年生で、今回のアテンドを通じた英語研修を待ち焦がれていたとのことであった。駅近くのホテルでアイスブレーカーを兼ねた昼食をとり、1時間半のドライブの後、小雨交じりの中、「日光東照宮」を見学した。生徒達は、海外での生活経験を有しており英語も堪能で、事前に各観光名所の下調べをしたファイル片手に英語で2日間、本研修の支援をしてくれた。留学生達は、マンツーマンで英語で対応してくれる生徒達と息も合い、リラックスして研修を楽しんでいた。その後再び宇都宮市内に戻り、宿泊先ホテルでの夕食会に先立ち、毎年多大なるご支援をいただいている高柳様を囲んで記念写真を撮り、佐藤教諭、生徒達とはここで別れた。夕食会は高柳様ご夫妻を囲んで和やかな雰囲気の中進み、留学生達が初めて口にする食材も使ったおいしい中華料理と飲み物に会話が弾んだ。 高柳様が北九州からピッツS2AとFA200を購入され旧満州航空隊出身の新妻東一氏(故人)とアクロバットチームを結成されて航空界と係られた話、過去にこんなスゴイものを食べた話、米国大統領の話等いろいろな話題に、留学生達もリラックスして楽しい一時を過ごした。
  翌29日(日)は、大谷石の産地にある「大谷石資料館」や「大谷坑内」等を見学した。地下坑内は戦時中には軍需工場として使われており、“疾風”戦闘機も坑内で作られていた。また坑内の一部は人力で30メートルの深さまで石を削り持ち出して作られていた。地下坑内の広大さや当時の日本人の忍耐強さと素晴らしさに留学生たちも驚いていた。最近は、数々の有名な歌手等によるコンサートや映画撮影にも使用されており、坑内の一部はプロジェクションマッピングを使用した映像効果で神秘的な雰囲気を醸し出していた。その後「大谷寺」、宇都宮海星女子学院生が入学式や卒業式の際お祈りに来るという大谷石造りの「松が峰教会」を見学し、宇都宮市内のレストランで、今回の研修で感銘を受けたことや勉強になったことなど研修を振り返りながら昼食と会話を楽しんだ。
  残念ながら台風接近のため当初計画を2時間程度切り上げて、宇都宮駅で堀川様、佐藤教諭、生徒達のお見送りを受けて我々は帰路についた。東京駅に向かう新幹線の中で留学生達は「今回の研修は、日光等では日本の文化伝統に触れ、アテンドの生徒達との多岐にわたる会話を通じ日本の高校生の考え方も理解でき、大変楽しく有意義でした。支援して頂いた皆様に心から感謝しています。」と語ってくれ、東京駅から一路防大に帰っていった。本研修を通じて3名の留学生が、日本に対する理解を一層深め、今後米空軍将校として活躍されるとともに、更には将来の日米の友好関係向上、同盟の強化に貢献してくれることを祈念します。  
 本日光研修は偏に、長年にわたりJAAGA個人賛助会員であられる高柳様のご厚意によるものであり、事前調整から天候に応じた柔軟な研修実施にあたっては、堀川様、佐藤教諭及び3名の宇都宮海星女子学院の生徒の皆さんに多大のご支援をいただきました。また、防衛大学校国際交流センターからも、留学生の行動計画等に関し様々なご配慮等を頂きました。この場を借りて改めて心から感謝を申し上げます。
  (岩本理事記)

 

米空軍士官学校交換留学生の日光研修