平成20年10月28,29日の両日、横田基地の米空軍軍人と家族計4名が、日光・益子方面を研修した。

 平成20年10月28日及び29日、米空軍横田基地第5空軍司令部作戦情報部長マリリン・ペパー−シチズン大佐、第13空軍第1分遣隊司令官ラリーD.バワーズ大佐、並びに通訳兼調整役を兼ねて第5空軍司令部国際法務課長ネイサンN.フロスト大尉及びエリザベス・フロスト夫人の4名が日光・益子方面を研修した。本研修は、宇都宮市在住のJAAGA個人賛助会員高柳實氏のご支援で今回が4回目となる。なお、JAAGAから企画担当堀理事と小川理事夫妻が案内・世話役として参加した。行程はほぼ昨年と同様で、東北自動車道宇都宮ICで、高柳氏ご夫妻をはじめ支援をいただく方々の温かな出迎えを受けた。挨拶を交わした後、高柳昌喜氏(高柳實氏の甥)と三浦日出男氏(栃木県航空協会理事、防大4期)のご案内で日光に向かい、日光杉並木、世界文化遺産の神橋(しんきょう)を車窓に見ながら移動。輪王寺傍で昼食をとった後、輪王寺、東照宮、二荒山神社を研修した。シチズン大佐、バワーズ大佐とも日本に着任まもなくであり、また初めての日本勤務のため日本の文化に興味津々であった。豪華絢爛な陽明門、精巧な眠り猫の彫刻に感嘆し、三猿の彫刻の前では同じポーズで写真を撮るなどして楽しみ、本地堂の鳴竜にも感心していた。さらに二荒山神社では、特別参拝に臨み、巫女の舞をご覧いただくとともに、シチズン大佐が参加者を代表して玉串を奉てん、全員で2礼・2拍手・1礼で拝礼するなど、厳かな日本神道の作法を体験した。その後、車で紅葉盛りのいろは坂を登り、華厳の滝を研修。滝壺に下りて滔々と流れ落ちる荘厳な景色に魅了され日本の自然美を味わった。宿泊のホテルは宇都宮の市内にとって頂いた。本研修をご支援していただく高柳氏御夫妻、娘さんの堀川典子様ご夫妻、奥様の兄様の大橋氏、ご案内いただいた甥の高柳昌喜氏ご夫妻、三浦氏等大勢の皆様が参加して同ホテルで催された夕食会は和気藹々として盛り上がり、楽しい時を過ごすことが出来た。高柳氏がやっておられるレッド・スバル飛行チームの話やバワーズ大佐の前任地であるアラスカの話など多くの話題が飛び交った。

 翌日29日は高柳御夫妻にもご同行頂いて、日本の歴史・文化を楽しんでもらおうと宇都宮から1時間ほどにある益子に向かい、益子焼窯元及び日本酒の造り酒屋の研修を実施した。益子焼の老舗関澤窯では窯元当主の関澤武氏の思いやりあふれる接遇で伝統的な日本家屋と調度品、そして多彩な趣味を併せ持つ氏が手がけた陶器、盆栽、書道、写真など日本文化を満喫してもらった。工房ではろくろと絵付けを体験してもらったが、難しいと言いつつなかなかの出来栄えの作品を仕上げていた。関沢窯ミュージアムの見学では当主の武氏やご子息たちの作品を鑑賞し、素朴な中にも奥深い趣を持った益子焼の素晴らしさに魅せられていた。また杉玉のさがる益子市内の外池酒造店を訪問。日本酒の醸造過程を見学し、利き酒も試した。神事と関わりながらの日本酒独特の醸造過程に強い興味を示し、説明してくれた店の方ののど自慢にも入賞したという酒造り唄に聞き入るなどし、酒にまつわる日本文化の一端を理解してもらった。昼食は高柳氏ご夫妻を始め関係者の方々の他、当日、益子の研修に同行、支援していただいた地元の英会話同好会の皆様にもご一緒いただき、鄙びた風情の店ですき焼きや流しソーメンなどでテーブルを囲み、大いに盛り上がった。高柳氏が「昨今、世界の経済が少しおかしくなっているが、米国は軍がしっかりしているので揺るぐことなく大丈夫だと思っている。日本の安全保障のためにわざわざ日本にやってきて汗をかいてくれている皆さんを少しでもねぎらうことが出来てこんなに嬉しいことはない。日本の地方に出かけてきていただき、ありのままの姿を見て感じていただけたらありがたい。」と述べられた。この高柳さんの気持ちを米軍4人はしっかり受け止めてくれたと思う。シチズン大佐は、お別れの挨拶で「皆さんの心温まる歓待を受け、めったにできない特別の貴重な体験をすることが出来ました。」と感謝の言葉を述べていた。

 本研修を成功裏に終えることが出来たのは高柳實氏のご支援と堀川典子様のきめ細かな計画・調整、またライス司令官の本研修に対するご理解、ドライバーから通訳まで幅広い役割を担当したフロスト大尉のおかげと感謝申し上げる。  (小川理事記)

 

平成20年度・米空軍人の日光研修