「新生つばさ会/JAAGA」の日米友好親善行事として恒例となった「訪米研修」は、9月7日から9月18日までの計12日間、遠竹郁夫JAAGA会長を団長に、堀好成理事、新野修会員計3名で、太平洋軍司令部(ハワイ)、太平洋空軍司令部(ハワイ)、教育訓練空軍司令部(テキサス)を訪問、その後、ワシントンDCで越智通隆JAAGA副会長、永岩俊道会員が合流して計5名で、AFA年次総会出席に併せて空軍省、日本大使館等を訪問する日程で行われた。
 それぞれの訪問先において、AFA会長、駐米大使、米空軍現役将官、JAAGA名誉会員である歴代第5空軍司令官等多くの方々、さらには防衛駐在官、連絡官、入校中の隊員たちと交流の場を持つことができ、日米友好親善、そして日米ブルー・ユニフォームの交流の深化・信頼醸成等、訪米研修の目的を十分に果たすことができた。
 最初の訪問地ハワイでは、空港到着時に太平洋空軍副司令官ホステイジ少将の出迎えを受け、チャンドラー太平洋空軍司令官とは会食も含め4回の懇談の機会を得る等、米側の今次訪米団に対する歓迎の気持ちと関心の高さを十分に受け止めることができた。
 その後、第13空軍司令部、太平洋軍司令部を訪問、それぞれアターバック中将、トム陸軍少将を表敬しコマンド・ブリーフィングを受け、意見交換を行った。特に、第13空軍司令部においては、司令官及びスタッフ、さらに太平洋空軍副司令官も加わって、日本の情勢を踏まえた西太平洋地域の情勢や日米関係などについて熱のこもったディスカッションが行われた。ハワイでの滞在間、松下2佐太平洋空軍司令部連絡官と本郷2佐第13空軍司令部連絡官には多大なご支援をいただいた。
 ホノルル空港を出発し約10時間後、デンバー経由で船石3佐、兵藤1尉両連絡官の待ち受けるサンアントニオ空港に到着した。早速「Gateway to the Air Force」として知られるラックランド空軍基地に移動。夕刻、DLI(国防省語学研修所)入校中の陸・空自隊員そして連絡官と夕食を共にし、米国での生活や英語に関する苦労話を聞く等、交流・激励の機会を持った。
 翌日、ラックランドに所在する第37訓練団とDLIを訪問した。第37訓練団では団司令パトリック少将のご案内で術科教育と新兵教育の現場を研修。新兵教育は6.5週間、毎日早朝から夜間まで、休み無しで行われるとの説明を受けた後、食堂で「私語を許されず、姿勢を正し、10分間で食事を終了する新兵の姿」を見、予想以上に厳しい教育訓練に耐えて巣立っていく新兵の姿に米空軍の底力を感じとった。
 午後はDLI司令ジョーンズ大佐のご案内で教育施設を研修。併せて長年にわたって多くの自衛隊員を受け入れて教育していただいていることに感謝の意を伝えラックランドにおける日程を終了した。
 ランドルフ基地に移動後、へスター前太平洋空軍司令官ご夫妻のお招きでサンアントニオ近郊にあるご自宅を訪問した。
 サンアントニオ3日目。ランドルフに所在する教育訓練空軍司令部を訪問し、司令官ローレンス大将を表敬、懇談。その後、リクルートから各種術科教育、操縦者教育まで、そして世界規模で任務を遂行する巨大な教育訓練空軍の状況について説明を受けた。テロとの戦いの教訓から、空軍においても基本的戦闘能力向上に力を入れているとの話は印象的であった。
 サンアントニオ到着直後から「ハリケーン・IKE」の接近に関する情報を得、その日の午後の予定を取り止め、ワシントンDCへの出発を繰り上げることとした。折しもテキサスから脱出しようとする多くの人達と競合して航空便の変更は難航したが、司令部スタッフの支援によりスムーズな空港出発となった。
 ワシントンDCでは、AFA年次総会開会式に出席、その後、ダンAFA会長に表敬・懇談した。AFA年次総会では、将軍から兵士に至る多くの現役軍人、そして退役将軍、軍関係者等が一堂に会して各種イベントに参加しており、また会場に隣接する巨大な展示ホールには軍事産業各社の最新技術力を誇示するディスプレイや展示品があり、アメリカのエア・パワーの巨大さと奥の深さを垣間見ることができた。
 翌日は空軍省国際部長レムキン氏、空軍参謀本部作戦防衛副部長ランク准将を訪問し、米空軍の現状及び運用構想等を伺い、またA−2、A−3,A−5スタッフから西太平洋地域の情勢、最近の軍事情勢等の説明を受け、意見交換を行なった。
 その後日本大使館に移動し藤崎駐米大使を表敬。お忙しいスケジュールの中ではあったが暖かく迎えていただき、米国事情など貴重な話をお聞かせいただいた。大使館では陸海防衛駐在官、納冨将補、江川1佐にもご挨拶する機会を得た。
 ワシントンDC滞在間、空防衛駐在官、尾崎1佐と田崎2佐には多大なるご支援をいただいた。尾崎1佐には、お宅に招いていただいて家族総出による心温まるお持てなしを受けた。特に、築地で修業したという尾崎1佐の握り寿司の腕前は中々のもので、今後の防衛交流の場でその威力は大いに発揮されるであろう。
 また、エバハート大将には数々のお力添えをいただいた。ご自宅でのホームパーティに藤崎大使、ホール大将、ワスコー中将、ライト中将それぞれのご夫妻と共に招いていただき、旧交を温めることができた。藤崎大使には、その後引き続き公邸において夕食会を催していただき、正に今次訪米研修のハイライトとなった。
こうして、各地で熱のこもったディスカッションや懐かしい出会い、ハプニングありの「平成20年度 新生つばさ会/JAAGA訪米団」の訪米研修は多大な成果を得て無事終了することができた。
 終わりに、今次の訪米に際して各方面で協力、支援していただいた関係各位に心より感謝申し上げ、訪米レポートと致します。  (新野会員記)  

 

平成20年度「新生つばさ会/JAAGA訪米団」に参加して