平成19年11月15日(木)、午後4時からグランドヒル市ヶ谷において、空幕防衛部長平田英俊空将補を講師としてJAAGA講演会が開催された。「米軍の改革と空自の防衛力整備」と、最新の演題のため関心も高く、約150名弱の会員が聴講した。 講演に先立ち司会から講師の紹介がなされた。講師は東京大学工学部、東京大学大学院航空工学修士課程を修了し、航空自衛隊に入隊。その後、米国スタンフォード大学大学院(航空宇宙工学)博士課程、米国国防総合大学修士課程を履修、航空自衛隊においては部隊指揮官、空幕の要職等を歴任され、本年8月、現職に就任された。
 冒頭、講師は当協会の空自の活動等に対する平素の支援・協力に感謝の言葉を述べ、講演を開始した。 冷戦崩壊から現在に至るまでの日米関係と対米依存の現実を背景として、安全保障に関わる日米間の最近の話題である「在日米軍の再編を巡る日米協議」を中心に、体験談を交えながら話を展開され、特に @米国との人的パイプの拡大 A防衛関係費の削減 B人的戦力の削減に対する対応 C防衛力整備の方向性 D産業基盤・技術基盤の維持」等の防衛力整備に関する今後の課題に言及し、同盟国としての様々な役割が期待され、防衛力整備に関しより一層の緊密な協議や連携が必要になっており、同盟関係を維持するためには不断の努力が必要である」と強調された。終わりに、「JAAGAが永年に亘って築いた日米の信頼、協力、人間関係は国家としての財産であり、今後とも期待されるものは大きいと認識しており、引き続き日米関係の絆として宜しくお願いします」と、講演を締め括られた。
 熱心に聴講する方が多く、質疑応答では「陸海空統合での防衛力整備は如何」等の質問がなされた。時間的制約があったが講師はこれらに親切・的確な回答をされた。航空自衛隊の防衛力整備の重責を担う防衛部長の熱心且つ平易に話す講演を直接聞き、防衛力整備の現状・実態等の理解を深めることが出来、極めて有意義な講演であった。 講演終了後、会長から講師への謝辞があり、記念品が贈呈された。  (源理事記)


 

JAAGA講演会・空幕防衛部長平田将補