平成28年6月24日(金)、横田基地において在日米軍司令官兼第5空軍司令官ドーラン中将(Lt.Gen. John L. Dolan)の主宰により、第374空輸航空団司令交代式が行われ、デラマター大佐(Col. Douglas C. DeLaMater)からモス大佐Col. Kenneth E. Moss)に指揮権が継承された。来賓として、周辺自治体、協力団体、官公署、北関東防衛局の長等、及び航空自衛隊から航空総隊司令官福江広明空将夫妻をはじめとする総隊の主要幹部、近隣部隊長、基地司令等が招かれ、JAAGAからは、森下副会長、石野・阪東・谷井・岩本・藤田・木村(和)各理事及び石川会員が参列し、荘厳な式典を見守った。
 格納庫内の会場には、大きな日米両国国旗が掲げられたステージを正面にして、来賓席、第374空輸航空団の隊列、基地所在部隊等隊員席スタンドが順に配置され、傍らには軽音楽バンドが控え、開け放たれた先の駐機場には、米空軍、空自、陸自等の航空機が展示されていた。
 式典は1030から開始され、指揮官交代式の意義(荘厳な軍のセレモニーであり、指揮権移譲を目に見える形で行うことにより、隷下の軍人が新指揮官が指揮権を引き継ぐ瞬間を見とどける。)、主賓入場、国旗掲揚、国歌斉唱(日米それぞれの隊員による独唱)、第374空輸航空団隊列確認(ドーラン中将が掌握)、祈り、ドーラン中将の挨拶、離任するデラマター大佐の挨拶(部隊からの最後の敬礼を受礼)、指揮官交代(指揮官旗がデラマター大佐の手からドーラン中将を経てモス大佐の手に)、新たな第374空輸航空団司令モス大佐の挨拶(部隊から最初の敬礼を受礼、その後直ちにエプロンのC-130指揮官機にモス大佐の名前が刻印)、空軍歌斉唱、主賓退場、の次第に沿って、約45分間に亘って整斉と行われた。
 ドーラン中将の挨拶で、デラマター大佐については、ネパール大地震、熊本地震、クリスマス・ドロップ作戦等における功績や、この度退役し米本土でC-130シミュレーター教官として文官の立場で軍の任務に就く旨、モス大佐については、勤務歴とともに、リーダーとしての活躍を確信している旨紹介された。
 離任・退役にあたりデラマター大佐からは、第35戦闘航空団(三沢)司令サンドバル大佐のF-16や空自・陸自の航空機が自身の眼前に駐機してあることは力強いパートナーシップの証であること、及び普段の任務遂行から本日の会場設営に至るまでの多くの出来事を挙げながら団の隊員の私心無き貢献に対する感謝の数々は言葉では言い尽くせない等、湧き上がる思いが披露され、日本語で、「日本の皆様は私たちの家族です。どうもありがとうございました。」と述べられた。
 新団司令モス大佐からは、日本語の挨拶を織り交ぜながら、「PACAF(太平洋空軍)最高の航空団の指揮官に選ばれたことは、人生における名誉である。」として、今後の決意が表明された。
 式典の最後の空軍歌斉唱では、拳に力を込めて振り上げる主賓3名の姿が印象的であった。
 なお、式典に先立ち、デラマター大佐の退官式が将校クラブで行われ、森下副会長がJAAGAを代表して参列し、労をねぎらい、同大佐からはJAAGAへの謝意が表明された。
 また、式典後、モス大佐夫妻主催のレセプションが将校クラブで開催された。前任者からの申し送りによってモス大佐はJAAGAの存在を知っており、JAAGA参列者は短時間の挨拶ではあったが、ご子息を交えて歓談し、良き新たな関係のスタートを切った。 (木村(和)理事記)

 

第374空輸航空団司令交代式(デラマター大佐からモス大佐へ)