平成30年12月4日(火)〜6日(木)、防府北基地において平成30年度航空自衛隊英語競技会が開催され、米第5空軍(横田)地域担当将校モリアリ大尉(Capt. Brittany Morreale)及び第4術科学校(熊谷)に勤務する米空軍将校キム大尉(Capt. Chehun Kim)の2名が、4名の日本人審査員とともに審査にあたった。
 両名は、ブリーフィング競技(幹部、准曹士の部)における質疑応答を含む審査、並びに通訳競技における審査及び在日米軍司令官役を担い、競技会になくてはならない存在として大いに活躍し、航空自衛隊を支援した。また、両名は競技中の質疑応答から競技終了後のJAAGAインタビューを通して、自衛隊のことを「Jieitai」と呼んでおり、「Koku-Jieitai」の呼称が米空軍にも定着してきていることが窺えた。

 競技会後、両名にインタビューし、所感を聞くことができた。
【空自隊員の英語能力について】
 Jieitaiの英語能力の高さを強く印象づけられた。これはJieitaiにおいて対話を通した日米関係の発展が重視されていることの証しである。ブリーフィングはハイレベルであり、通訳はとても素晴らしかった。共同訓練のみならず、あらゆる範囲の活動においてハイレベルの対話に対応出来る。
 選手達は基礎的な英語レベルから訓練を始めたが、挨拶が出来る程度とは異なり、英語でハイレベルの会話が出来るまで大いに向上していることが印象深い。通訳時のアイコンタクトは、相手がフォローできているかをチェックする上で重要。
【発音、語彙、文法について】
 全体を通して、発音は殆どの場合理解でき、たとえアクセントが違っても、理解を妨げるものではなかった。多くのプレゼンテーションで、発音はハイレベルであり、文法も素晴らしい。理解することに問題は無かった。ブリーファーの何人かはネイティブアメリカンと同等の素晴らしい発音であり、これには本当に驚いた。表彰式で紹介された女性幹部の発言はネイティブスピーカーレベルであり、我々一同を驚かせた。難しい軍事用語・政治用語があり、しかもハイプレッシャー環境の中で、皆健闘した。特に通訳競技は大いに印象に残った。何ヶ月かの勉強で、ここまでのレベルになれるとは驚きだ。
【質疑応答について】
 発言内容は全体的に理解できたし、何人かは、期待以上に詳しく説明してくれた。メインアイデアを見失った者もいたが、彼らがごく初歩的レベルから始めたにも拘わらずトピックは軍における女性の役割、服務制度といったとてもハイレベルなものであったので、やむを得ない。
【空自隊員への英語力向上に向けたメッセージ】
 臆病にならず、米軍人との会話に加わることを勧める。准曹士レベルにおいても、関係を構築するよう勧める。「日米相互特技訓練」はその意味において良い機会だ。英語に慣れることが必須。リスニングはテレビ番組や映画を観ると良い。スピーキングはパートナーが必要。多くの米軍人や日本で仕事・旅行をしている外国人と交流するのが良い。我々も日本人と友達になりたい。英語の勉強を兼ねて、日本の文化を教えては如何か。東京オリンピック・パラリンピックは、大きなチャンスだ。
【自身にとっての英語競技会参加の成果】
 「Fukumu-Sido(服務指導)」の名称・意味はこの大会の導入説明で初めて聞いたし、女性の問題等の多様性は日米で異なるものであり、本競技会への参加は貴重な経験となった。もっと多くのブリーフィングを聞き、勉強したい。通訳競技における在日米軍司令官の役は広範囲のテーマで難しかったが、興味深く、自分も更に勉強したい。
 このように、2名の米空軍将校にとっても、審査員として空自隊員の英語能力向上の努力を間近に見るとともに、空自の各種施策や日本人の精神要素を理解する上で大いに意義があったことを知り、JAAGA理事として嬉しく思った次第である。
 (本競技会の概要は、つばさ会のホームページ及びつばさ会だよりに掲載。)
 (広報 木村理事記)
 
 

「平成30年度航空自衛隊英語競技会」米軍審査員の活躍