9月11日(水)、JAAGA会員43名(正会員11名、賛助会員27名及び理事5名)が参加し横田基地研修が行われた。当日早朝は生憎の小雨模様、参加者一同、9時半に福生駅に集合、清水正睦氏(正会員)を団長、上出雅彦氏(個人賛助会員)を副団長として結団式を行った後に、米軍車両にて横田基地に向かった。今回の研修では残念ながら第5空軍司令官アンジェレラ中将及び航空総隊司令官中島空将が所用のため共に不在という状況の中で行われたが、航空総隊司令部が横田基地移転後間もない2回目の研修ということもあり、参加した会員の多くは当基地研修に初めての参加であった。
 到着後、研修団一行は第5空軍司令部を訪れ、第5空軍副司令官ハリス准将の出迎えを受けた。清水団長、上出副団長及び理事2名とハリス准将との懇談では、清水団長から本研修の受け入れに感謝の意を伝え、ハリス准将からは本研修を心から歓迎するとともにJAAGAの米空軍に対する日頃の様々な活動や支援に対し心から感謝する旨の発言があった。その後、研修団一行はコンファレンス・ルームにて第5空軍の概況説明を受けた。第5空軍の歴史、任務、編成等の説明の他、極東地域における日本の戦略的位置、日米同盟の意義、重要性等について説明があり、在日米空軍のプレゼンスの重要性を強調した意義深い内容であった。質疑応答セッションにおいて、研修団からF35戦闘機の配備スケジュール及び昨今の中国軍の軍事的動向における米軍の関心事項等について活発な質問があった。これに対しハリス副司令官からは、日本や米国におけるF35の配備基地や時期について現在計画の概略説明があり、また中国軍の脅威動向ではサイバー戦能力についての関心が最も高く、我の情報保全、通信の維持確保の重要性、さらにサイバー攻撃手段(敵の情報入手やサイバー手段の無力化)の確保が今後の課題である旨の回答があった。ブリーフィングの後、オフィサーズ・クラブにおいてJAAGA主催の昼食会が行われた。昼食会には米空軍からはハリス准将、374空輸航空団司令官兼横田基地司令オーガスト大佐、空自側からは航空総隊司令部幕僚長国分将補、同戦術官平塚将補、防空指揮群司令兼横田基地司令柏瀬1佐、その他日米双方の主要指揮官・幕僚が参加、会員と共に円テーブルに同席し大きな牛ステーキに舌鼓を打ちつつ楽しい会話に花を咲かせた。午後には雨も上がり、会食後のクラブ玄関前での記念撮影に続き、374航空団の研修を行った。374航空団の概況説明では、同航空団は太平洋空軍に所属し、西太平洋からアフリカ大陸沿岸東部に及ぶ広大な空域を担当、基地内には軍人・家族、軍属等約12,000名が生活もしくは勤務、東京ドーム155個分の広大な敷地と施設を維持管理している旨の説明があった。その後、C130輸送機2機によるLCLA(Low Cost Low Altitude)物資投下訓練をエプロン地区から見学、物資格納庫内でロードマスターから訓練概要の説明を受けた。同飛行隊はクリスマス・シーズンには太平洋の米国領の島々にサンタ・プレゼントをLCLAにより空中投下して周るエピソードを楽しそうに語っていたのが印象的であった。
 午後3時からは航空総隊司令部研修に移行、司令部では国分幕僚長による出迎え、記念撮影の後、司令部施設の研修、平塚戦術官及び防衛課長加治屋1佐による概況説明を受けた。会員の航空自衛隊を取り巻く諸外国の政治・軍事動向についての関心は高く、ここでも積極かつ活発な質疑応答が時間ぎりぎりまで行われた。16時半には研修も無事終了し、解団式の後、空自車両にて基地を離れた。
 本研修においては、横田基地に航空総隊司令部が移転、同居し、日米同盟の実が格段に向上したことを空自、米空軍双方が強く認識していることを肌で感じられ、会員一同本研修を十分に満喫することができた。最後に、本研修の受け入れに熱心に取り組んでいただいた横田基地広報担当スタッフを始め、米空軍と空自の関係者各位に心から感謝したい。(早坂理事記) 

 


平成25年度 JAAGA会員の横田基地研修