平成23年12月2日から9日までの間、日米それぞれの救難能力の向上を図るため、沖縄本島周辺で日米共同救難訓練(コープ・エンジェル11−1)が行われた。航空自衛隊は那覇救難隊及び那覇ヘリコプタ空輸隊、第1輸送航空隊、米空軍は嘉手納基地に所在する第31救難中隊及び第33救難中隊が参加した。航空機は、空自のU−125A、UH−60J、CH−47J、C−130Hと米空軍のHH−60Gが使用された。訓練は、平時に航空機が墜落したという想定での搭乗員の救出(昼間及び夜間)や、津波を想定した海岸付近での大量負傷者発生による捜索救助というシナリオで行われた。特に、1日目に行われた大量負傷者救助の訓練では、陸上や洋上に、日米の遭難者役の隊員を実際に配置し、航空救難団所属の救難員(メディック)や米空軍第31救難中隊所属のパラレスキューマン(PJ)が、迅速に負傷者をトリアージ(治療優先順位の選別)し、各ヘリコプタへ収容していった。この数年間で養成された、救急救命士資格を持つ救難員は、この訓練でさらにスキルアップするとともに、日米の両救難隊員は相互に理解を深めていた。また、この様子は報道陣に公開され、夕方のニュースで放映され日米間の連携が印象付けられた。

                  訓練統制官
                  航空救難団飛行群司令 1等空佐 唐澤 誓男

 

日米共同救難訓練(コープ・エンジェル11−1)成果概要